Generic

先発薬を希望すると追加料金がかかる?
ジェネリックと「選定療養」のしくみ

2026年7月27日

ホームお薬と薬局のコラム > ジェネリックと選定療養

「ジェネリックじゃなく、これまでと同じお薬がいいのですが」——そうおっしゃる患者さまに、薬局から追加のご負担について説明する場面が増えました。2024年10月に始まったこの仕組みは2026年6月に金額が変わっています。インターネット上にはまだ古い数字を載せた記事が多く残っているため、現在の内容を整理してご説明します。

先に結論

ジェネリックがある先発医薬品を、医療上の必要性がないのにご希望で選ばれた場合、価格差の2分の1が「特別の料金」としてご負担になります(2026年6月1日から。それ以前は4分の1でした)。ただし医師が必要と判断した場合や、薬局に後発品がない場合は対象外で、これまでどおりです。

01「選定療養」とは何か

選定療養とは、患者さんご自身の希望で選んだ上乗せ分について、保険を使わずご負担いただくという仕組みです。入院時の差額ベッド代が代表例で、以前からある考え方です。

2024年10月から、この対象に「長期収載品」が加わりました。長期収載品とは、後発医薬品(ジェネリック)が発売されている先発医薬品のことです。ジェネリックがあるにもかかわらず、医療上の必要性がないままご希望で先発医薬品を選ばれた場合、その価格差の一部が保険の対象から外れます。

後発医薬品が発売されていない先発医薬品は対象外です。また、後発品が出てから一定の期間が経っていない品目なども対象から外れるため、すべての先発医薬品が対象というわけではありません

022026年6月に「4分の1」から「2分の1」へ

ここが今いちばん誤解の多いところです。制度開始時の「特別の料金」は価格差の4分の1でしたが、2026年6月1日から2分の1に変更されました。ご負担は以前の倍になっています。

インターネット上には「価格差の4分の1」と書かれた記事がまだ多数残っていますが、これらは2026年5月31日までの古い情報です。金額を調べる際は、記事の日付をご確認ください。

なお、この特別の料金には消費税がかかります。保険が適用される部分は非課税ですので、性質の違うお金が一つの会計に混ざることになります。領収書では両者を区分して記載しますので、内訳をご確認いただけます。

03追加料金がかからないケース

「先発医薬品を使うと必ず高くなる」と思われがちですが、そうではありません。次の場合はこれまでどおり保険給付の対象で、追加のご負担はありません。

状況特別の料金
医師が医療上の必要性を認めた場合(処方せんの所定欄に記載があります)かからない
薬局に後発医薬品の在庫がなく、提供が困難な場合かからない
そもそも後発医薬品が発売されていないお薬かからない
入院中の患者さまかからない
上記に当たらず、ご希望で先発医薬品を選ばれた場合かかる

体質的に合わない、剤形が飲みにくいなど、医学的な理由がある場合は遠慮なく医師にお伝えください。必要性が認められれば処方せんにその旨が記載され、追加のご負担は生じません。

04実際にいくらになるのか

厚生労働省が示している計算例をご紹介します。先発医薬品の薬価が100円、最も薬価の高い後発医薬品が49.3円というお薬を、1日2錠・30日分お使いになる場合です(3割負担の方)。

先発医薬品の薬価
100.0円
後発医薬品(最も高いもの)
49.3円
価格差
50.7円
うち保険から外れる分(2分の1)
25.35円
特別の料金(消費税込み)
約1,650円
保険の自己負担分(3割)
約1,350円
お支払いの合計
約3,000円

これはあくまで一例です。実際の金額はお薬の種類・数量・保険の負担割合によって変わります。「価格差の2分の1がそのまま上乗せされる」わけではありません。価格差の2分の1が保険の対象から外れ、残った部分に負担割合が掛かる、という構造です。

対象となるお薬かどうか、実際にいくらになるかは、調剤の前に薬剤師からご説明します。金額を聞いてから決めていただいて構いませんので、その場でお申しつけください。

05決めているのは薬局ではありません

「薬局がジェネリックを勧めてくるのは、そのほうが得だからでは」というご質問をいただくことがあります。実際には、選定療養に当たるかどうかの起点は処方医の判断です。処方せんには医療上の必要性の有無を記載する欄があり、薬局はその記載に従って判定します。

そのうえで、薬局側の判断で保険給付のままにできる場合もあります。後発医薬品をご用意できないとき、剤形が服用しにくいなど後発品では不適当と薬剤師が判断したとき、そして説明の結果、患者さまが後発医薬品を選ばれたときです。いずれの場合もご説明のうえ、ご同意をいただいてからお渡しします。

06ジェネリックの品質が心配な方へ

「安い薬は効きが悪いのでは」というご不安は、窓口でもよくうかがいます。後発医薬品は、先発医薬品と有効成分が同一であり、体内での吸収のされ方が同等であることを確認する試験や、品質・安定性に関する試験を経て国の承認を受けています。開発にかかる費用と期間を抑えられるぶん、価格が低く設定されています。

とはいえ、添加物や製剤の作り方は製品ごとに異なります。変更後に体調の変化を感じられた場合は、そのままにせず薬剤師にお伝えください。元のお薬に戻すことも含めて、処方医と相談します。

当社の薬局では、後発医薬品の品質・供給状況を確認したうえでご説明しています。ご不明な点は緑ヶ丘薬局鷹匠薬局 公園店の窓口へお気軽にどうぞ。届出内容は施設基準等の掲示のページに掲載しています。

07参考にした資料

本記事は2026年7月時点の情報です。制度の内容および対象品目は改定により変わります。本コラムは一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。お薬や体調に関するご相談は、ご利用の薬局または処方医へお問い合わせください。
株式会社しずく(緑ヶ丘薬局・鷹匠薬局 公園店)